アラサー女のアメリカ生活

29歳、シアトル在住、働く日本人妻。

アメリカでなぜトランプが大統領になってしまったのか。

アメリカの大統領選挙、すごいことになってしまった。まさかトランプが勝つとは思いもしなかった。

今回は、どうしてトランプのような人間に半分近くのアメリカ人が投票することになってしまったのかについて。

日本人には文化が違うのでなかなか理解しにくい部分もありますが、どうしてこんなことになってしまったのか、よく説明している記事があるので日本の方にぜひ読んでほしいと思い翻訳してみました。

 

CRACKEDというサイトの記事で800万人の人に読まれてる話題の記事です。面白く冗談交えて説明しています。アメリカの映画やドラマ、文化的な話も多いので分らないことがあったり、変な翻訳があったらコメント下さいませm(__)m♪

 

原文はこちら。David Wong 著。

www.cracked.com

 ※原文をそのまま訳しただけでは分かりにくい部分は、日本人の方に分かりやすいように直しています。

 

予備知識: 

アメリカでは基本的に、田舎は保守派で共和党、都会は革新派で民主党。トランプは共和党で、オバマやヒラリーは民主党。
ロサンゼルスやニューヨーク、私たちが知ってるアメリカは全部都会で民主党。
田舎はノースカロライナとかテネシーとか、昔奴隷制度に賛成だったような州でクークラックスクランとかが居たような州で、銃の規制をどんどん緩めたい政党を支持する。

 

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アメリカ人の半分は一体どうやって気が狂ってしまったのか。

このドナルド・トランプ現象を3つの映画を使って説明したいと思う。それからいくつかの説明も添えてね。

 

壮大なアドベンチャー映画が使用する、悪者と善人の区別をつける普遍的なシンボルがある。

善人は田舎からでてきた気取らない庶民で・・・

 

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一方、悪者は都市部に住んでいて、バカらしい服を着てる堕落したろくでなし。

 

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映画スターウォーズでは、ルークは農家の少年・・・

 

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一方、悪者は、輝くような宇宙ステーションに住んでいる。

 

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映画ブレイブハートでは、主人公(デニス・ブレイブハート)は、気取らない農家である・・・

 

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・・・そして卑劣なくそ王子は、豪華なお城に住み、派手でおしゃれな服を着ている。

 

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これらの映画が共通項としてもつテーマにはいくつかの意味がある。それは、原始的 対 高度、頑丈 対 繊細、男っぽさ 対 女っぽさ、貧しさ 対 豊かさ、純粋 対 堕落、伝統的 対 風変り。それはすべて、田舎 対 都市という暗号なのだ。この二者間の緊張した格差は明らかに、映画のせいではない。この格差がすでに存在しているため、これらの映画はシンボルとしてそれを使用しただけだ。

僕たち田舎者は神経質なエリートを憎むようにプログラムされてるということだ。それが原因でトランプがでてきたってわけ。

 

これは単にレッドステート(共和党の州)、ブルーステート(民主党の州)というわけではない。これは、田舎 VS 都市なんだ。

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 斯く言う僕も、トランプの国(トランプの共和党を支持する地域)で生まれ育った。僕の家族はトランプ派の人間だ。僕はもし引っ越していなくて、このバカみたいに良い仕事を得ていなかったとしたら、彼に投票していたはず。うん、絶対してた。

 

だってね、政治的なタイプは「レッドステート」と「ブルーステート」について話すけど(レッドは共和党又は保守派。そしてブルーは民主党又は革新派)、これらの州についてはひとまず忘れよう。このトランプ現象を理解したければ、より詳細なカウンティ(群)の地図まで掘り下げてみよう。これは、2012年の選挙(オバマさんが大統領になったとき)の群ごとの投票結果。 もう一度言っておくけど、赤は共和党だよ。

 

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ってなんだそりゃ。オバマ氏の民主党が20%の投票を獲得するのに苦労してる主流じゃない政治派閥のように見えるよね。でも、青色の部分は人口がより密集しているところ。つまり都市。左上には青色のシアトルやタコマ地域、下の方にはサンフランシスコ、それからロサンゼルス。チ〇コみたいな形のミシガン湖の周辺の青色は、ミネアポリス、ミルウォーキーそしてシカゴの町だ。北東部はもちろん、ニューヨークとボストン、下にはシャーロットやアトランタなどたくさんの南部の都市を結ぶ青帯につながるフィラデルフィアへと続く。

 

真っ赤な海の中の青い島々。これらの都市は、この土地一塊の4%未満だけど人口の62%で、さらに大衆文化の優に99%だ。僕たちの映画、テレビ番組、歌、ニュースのすべては、それらの青色の島々から普及していく。

 

ということだから、もし赤色部分に住んでいるなら最悪だ。

 

だってさ、僕は「青色の」ブルーステートである、イリノイ州出身だけど、その州は青色になってない。イリノイ州じゃなくて、シカゴが青だよ。僕は真っ赤っかになってる地域の、小さな小さな町出身なんだ。

 

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子供の頃、シカゴに行くっていうのは、なんだか、カットニスがキャピタルを訪問したとき(映画ハンガーゲームで)みたいだった。それか、この馬鹿らしい本(この記事の著者であるDavid Wong著Futuristic Violence and Fancy Suits)のゾーイが未来都市を訪れるみたいな感じ。「都会は奇妙」だ。

 

そして、この世界全体は都会を中心に回っている。

 

すべてのテレビ番組は、ロサンゼルスやニューヨーク、それからたまにシカゴやボルティモアについてだ。ごくたまに僕たち田舎者についてのテレビ番組があるとすれば、それはただのジョークなんだ。経験が乏しくて、うぶな、ふわふわしたボール(テレビドラマのパークス・アンド・レクリエーションやもっと昔のならニューハート(日本語では出ていない))。または不潔な殺人鬼のミュータント(テレビドラマ、トゥルー・ディテクティブ、もっと昔のなら、映画「脱出」)。数百マイル離れていたって、傲慢さを感じるよ。

 

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「都会以外のところで起きることは大切じゃない!」と、都会に住む人々はカクテルパーティーで満足げに言うんだよ。その食べてる食糧がどこで作られているか気づきもせずにね。そうそう、ハリケーン・カトリーナがニューオーリンズを襲ったときのこと、覚えているかな。大きなハリケーンが何百マイルもの距離を横断して、他の町全部避けて、この特定の街一つを襲撃するなんてなんだか奇妙だ。ニュース(またはたくさんの映画、テレビ番組)を見ても、どうやってそのハリケーンが徹底的に、強引に進んできて、農村部のミシシッピで、238人もの人の命を奪い、1250億ドルもの損害を与えたかってことはでてこない。

 

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でも、誰がそんな田舎者のこと気にするの?って感じでしょ。ペチャンコになったトレーラーで泣いている歯のない田舎者を報道する価値は?ってね。ニューオーリンズは、文化的に重要なんだよ。これは大切なことなんだよ。

 

無視された人々、苦しんでいる人々にとって、ドナルド・トランプはエリートの窓に放り投げられたレンガなんだ。「お前ら、ろくでなしども、聞いてんのか?」って感じにね。

 

都会の人たちは全く別の惑星から来た。

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 「でも、これは人種問題じゃないの?トランプの支援者はただの人種差別主義者の集まりじゃない?茶色い人々(アフリカ系、ラテン系、アラブ系、インド系人種のこと)が住んでる場所だから都会を嫌いなんじゃないの?」

 

あのね、この記事のコメント欄には実際のナチスがでてくるよ。「論争に勝つためにナチスと呼ぶ」ナチスではなくて、実際のナチス。(注意:naziは英語で日常会話でスラングとして使われています。たとえば、とても口うるさい人やルールが好きすぎる人に対してnaziと言ったりしますが、ここでは現代の実生活でナチスが正しかったと考える人たちのことを言います。)自分のアバターをナチスの「卍」をつけるような人たち、映画インディアナ・ジョーンズでインディアナ・ジョーンズの敵であるナチスを応援していたような人のことだ。そういう人々が存在するんだよ。


でも、僕が言えることは、個人的な経験から、僕の青年時代の人種差別はいつもその一歩手前だった。僕は、家族や友人、または同級生たちが町にいる実際の黒人に意地悪をしたところをみたことはなかった。僕たちは彼らと働いたり、ビデオゲームをしたり、見かけたりしたら手を振ったりしていた。僕が聞いたのは、都会に冒険しに行き、「誤ったところ」へ行ってしまうと車から引きずり出されレイプされ、生きたまま焼かれるなんていう数百万の話だ。振り返ってみると、彼らマイノリティが僕たち白人のように行動していれば、僕たち田舎の白人にとっては問題なかった。

 

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そのときの僕に尋ねたとしたら、僕はその恐怖と憎悪は、褐色の肌を持つ人々に対してではなくて、シカゴの特定の民族に対してだったと言っていただろうね。っていうのは、あの変なスラングや音楽、服装、見る人すべてを殺してしまうすごい悪魔な奴らだよ。これは風変りな都市の性質の一つで、遠くから見ると、超攻撃的な野蛮人と軽薄な白人エリートの組み合わせだ。都会は変だ。それはポップカルチャーは僕が教えられた都会の黒人のイメージが違うってことを教えてはくれなかった。

 

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それは感覚っていうわけでもなくて、これらは並行宇宙だという事実を統計が物語っている。田舎に住んでいる人々は、銃を所有していて、おそらく若く結婚する可能性が二倍だ。都心の「青」の地域の人々は、速く話し、速く歩く。薬物乱用者である可能性が高くて、アルコール依存症である可能性は低い。青い人たちは土地を所有している可能性は低く、最も重要なのは、彼らが福音主義キリスト教徒である可能性が低いということ。

 

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小さな町では、よくこうやって表現される。「彼らは僕たちの価値観と違う!」ってね。そして、僕の革新派の友人はそれを嘲笑するのが大好きだ。「え?文盲と同性愛嫌悪みたいな?!?!」ってね。

 

いいや。それだけじゃなくて田舎者のすべてを嘲笑うんだ。

 

流行はいつも都会から始まる。そしてそのすべてが良いわけじゃない。

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都会はいつも未来を生きている。私たちの小さな町に、最初の中華レストランができたとき、それから20年後、最初のおしゃれなコーヒーショップができたときのことを覚えてる。このようなものはすべて、数十年も前に映画にでてきていた(もちろん設定はロサンゼルスでね)。80年代の映画を見て、3語ごとに「~みたいな」をつけて話すカリフォルニア等の若い女の子のステレオタイプを「ヴァレー・ガール」とバカにしたりしてたのを覚えてるよ。それから20年後、Cracked(この記事があるメディア)のポッドキャストで、わたしが同じことをしているのを聞いたりするけどね。このウイルスは、ロサンゼルスで始まって、アメリカの他の部分にも広がったんだ。

 

そこで、当時の認識は、これらの都会の人々はみんな無神論者になって、バイセクシャルのセックスパーティーのために教会を見捨てた人たちっていう認識。それは、文字通り世の終末の兆候だったと僕たちは教えられたんだ。精神的な影響だけじゃなくて(それだけでも悪いんだけど)、この文化にいずれくる破壊も原因だ。僕はどんな反論も思い浮かばなかった。その場所で、その時代には、教会というのはすべてだったんだ。僕の言葉をただ信じることはしないでほしい。専門家に聞いてくれ。

 

小さな地域社会では、大きな社会的集まりのための施設は一般に教会だけである。教会は田舎では、カウンセリングや貧しい人たちへの支援、社会運動のたった一つの提供者にもなり得る(たとえそれが教会聖歌隊やクリスマスの野外劇という形でも)。

 

教会は友達を作ったり、女の子と出会ったり、就活のための人脈作りをしたり、社会支援を受けたりする場所だったんだ。貧しい人々はそこで食料や衣服を得たり、カップルは結婚についてアドバイスを得たり、中毒者は立ち直れるように支援を受けたりできたんだ。しかし、今は、一般住民の中でキリスト教徒の驚くほどの減少が見てとれる。神を恐れぬ病はヴァレー・ガールの話し方と一緒に広がっていたんだ。だから、フォックスニュースによると、これらの都会の退廃的で無神論者で、善悪の区別もつかないような俗物が偉そうにするようになった結果どうなった?

 

 

カオスだ。

 

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彼らが言うには、社会組織の仕組みは予測どおり崩壊した。そして、田舎のアメリカ人が今日ニュースでのぞき見するのは、彼らの未来だ。

 

野蛮人が来る。

 

黒人が暴動を起こし、イスラム教徒が爆弾を仕掛け、ゲイはエイズを広め、メキシコのカルテルは子供たちの首を切り、無神論者はクリスマスツリーを取り壊す。一方、革新派のレナ・ダナム(アメリカで人気のドラマ「Girls/ガールズ」を作った人)のような人たちは、家賃5,000ドルのアパートでワインを飲みながら、「でもこれらの白人クリスチャンが本当の問題なのよ!」と言うんだ。テロの犠牲者は切断された自分の手足の隣で道路で悲鳴をあげ、そしてエリートたちはといえば、男がいかに女性用トイレを使えるべきであるかとか、いかに鶏をケージに入れておくことがひどいことかについて泣き叫ぶ。

 

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狂気。エリートたちは自分のことばかりで、周りが見えなくなっている。何千年もの間疑問の余地もなかった、基本的で明白な真理があざ笑われ、やじり倒された。というのは、勤勉に働くことは政府に依存するよりも優れているという事実、子供たちは両親居た方がうまくやるという事実、暴動よりも平和が良いという事実、厳格な道徳的規範はのんきな快楽主義よりも良いという事実、人間はタダで手に入れたものよりも苦労して勝ち取ったものの方に価値を見出すという事実、爆弾で爆破されるよりも爆弾で爆破されない方が良いという事実。

 

田舎ではこういう表現がある。「私の足におしっこしておいて雨が降ってるだなんて言わないでくれ。」(騙さないで。)

 

アメリカが紛れもなく建国された基盤は、家族、信仰、そして勤勉さ。それらは流行遅れで心が狭いと見なされるようになった。白い巨塔の傲慢なエリートたちはそれらの基盤を蹴とばしたかのように笑い飛ばし、そして一万語の解説記事を書いて、後に起きる崩壊を創立者のせいにする。

 

田舎はボコボコに殴られてきたんだ。

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僕がここに挙げたこれらすべてのことが間違っていると言ってくるのはやめてくれ。僕はこれらが間違っているって知ってるんだ。というより、僕は今青色の(民主党の)カウンティーに住んでいて、青色の産業で働いているからこそ、これらが間違っていると思うんだ。僕は過去の古き良き時代が奴隷制度や人種等による分離によって構築されていたことを知っているし、全ての種類の人間が宗教はただの抑圧でしかないと経験してきたことを知っている。僕はそれらの 「伝統的な家族」が何百万人もの女性を台所や悪い結婚に閉じこめたことに関与しているってことを知っている。同性愛者は恐怖に怯えて生き、中絶は路地裏での事柄だったと知っている。

 

変化が最良の結果のためだったと知っている。

 

これらのことをトランプの国の人々(田舎の人々)に言ってみてくれ。

 

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田舎の人たちはぶちのめされてるんだよ。そう、僕はそこに居たんだよ。都会の外では、若い人の自殺率は2倍だ。不況が田舎を打ち砕いたけど、景気回復は都会だけだった。新規事業が田舎に来ることはなくなった。

 

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だってさ、田舎の仕事は工場、炭鉱等の一つの大きな事業が基になっていて、それらの事業がなくなっちゃったら、もう町も終わりなんだよ。僕が育った場所はというと、製油所が閉鎖してその町も終わってしまっていたんだ。僕は抜け殻のような町で育った。高校の屋根は雨が降ったら雨漏りした。都会では、製造業の仕事がなくなってもサービス業の仕事で雇用の喪失を補うことができるけど、小さな町ではできないんだ。その都会の理論は、特定の人口密度を下回ると機能しない。

 

これらの小さな町に住んでいなければ、この絶望感を理解することはできないよ。可能であるキャリアの大半は都会に引っ越すことが必要になる。そして、すべての都市の周りには「生活費」と呼ばれる100フィートの壁があるんだ。例えば、君はウォルグリーン(アメリカの大手薬局チェーン)時給8ドルを稼ぐ賢い子で、より良い生活を目指しているとする。それじゃぁ、生まれたての赤ちゃんと一緒に家賃1,200ドルの700平方フィートのアパートに引っ越して、それから公共料金、食料品、そしてベビーシッターに今田舎で払ってる分の2倍の額を支払う準備をするんだ。もちろん、貧乏で危険なエリアに引っ越す予定がなければ、ね(放火されるのが好きだといいけど!)。

 

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 都会では、もっともらしくバンドを始めたり、俳優になったり、または医学の学位を取得することを目指すことができる。実際に夢を持つことができる。小さな町では、カントリーミュージックのバーや教会以外で芸術を披露するための施設すらないことがある。町にはたった2人医師しかいないかもしれない。その仕事を希望するということは、その2人が退職するか死ぬのを待つしかないということだ。求人情報を見ると、載っている仕事のすべてはファストフードかコンビニだ。「繁華街」っていうのは、ウォールマート(アメリカの巨大チェーン)によってつぶれた古くて小さな路面店が立ち並ぶとこで、「郊外」はハウストレーラー用のキャンプ場だ(アメリカでは大きなトレーラーに家として住む人もいる)。これらは、世界滅亡後のように見えるこれらの町の一部だ。

 

本当なんだよ。こういった絶望は生きたまま人を貪り食っていくんだ。

 

田舎者が文句を言ったりでもすれば、革新派のエリートはiPadを出してきて、白人としての特権があるくせに人種差別までしていると暴言を入力してくる。すでに、誰かがコメント欄でこれについて「マイノリティとしてスラム街に住んでみろ!」と言ってきた。その通りだね。田舎者にとっては、貧しいマイノリティの苦境を理由に白人の叫びは無視されているように聞こえるのだ。一方、田舎の白人の自殺率と麻薬過剰摂取死が急騰する。まぁ、少なくとも政治家はスラム街のことを気にするふりはしてるみたいだけど。

 

誰も聞いてくれないと、誰だって狂暴になる。

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本当にどちらの世界も最悪のように感じる。同情はなくて、すべては貧困の苦悩だけだ。「黒人がパトカーを燃やしても、革新派のエリート達は彼らは貧乏だから悪くないんだって言うんだよ。私の息子は、メス(麻薬の一種)の小袋一つでクビになったし、投獄されたんだよって言うんだよ。このエリートたちは、失った歯についてジョークを言うんだ!」田舎者はみんなのサンドバッグ、社会の最後の残りの安全な笑いの的の一つなんだ。

 

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彼らはそれをかなり気にするよ。この人々は大昔から何世代もの間、自分で自分自身をしっかり世話するのに誇りを持ったなんだ。僕が育った場所では、自分で車を修理したり、屋根を修理したり、自分の食べる肉を自分で狩り、そして侵入者から自分の家を守ることができない限り、本当の男とは認められないんだ。誰かに依存すること、特に政府に依存することは恥の源だった。自分の芝生を自分で刈り、漏洩があれば自分で配管を修理し、自分の薪は自分のトラックで運搬する。(ちなみに僕のは1994年製のフォード・レンジャーだった!現在の持ち主によるとまだ動いてるらしい!)

 

ちいさーなアパートに住むヒップスター(アメリカのインディーロックなどを聴き、本や芸術などについて語るおしゃれに敏感な意識高い系の人たちのこと。独特な服装をしていることが多い。)とか、公共住宅などに住むようなマイノリティの人々で、何かが壊れるたびに大家さんに頼って、なんか大きな問題が発生したらすぐに荷造りして引っ越す人たちとは違う。自分で何も所有してなければ、なんだって人の問題にできる。「こういう奴らはきっと税金も払ってないよ!アメリカ自体を捨てられる補助付アパートぐらいにしか思っていないよ!」

 

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庭でトランプのポスターを掲げてる田舎の人たちは彼らの暮らしは死にかけていると言う。それで君たちはニヤニヤ笑って、この田舎の人たちが言いたいのは黒人や同性愛者がやっとのことで平等の権利を得ていることが許せないってことだと言うんだよ。でもね、本当なんだよ、田舎の人たちは本当に彼らの暮らしが死にかけているから、彼らの暮らしが死にかけてるって言ってるんだ。これは彼らの想像なんかじゃないよ。未来についての映画は、伝統的な家族や狩り人、炭鉱を表現したりしない。まあ、映画ハンガー・ゲームを除いてね。あれは世界の終わりとして描かれていた。

 

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そう、彼らは物事を元通りにすると約束した男、青色の島々に対して警鐘となる男に投票するんだ。彼らは窓に放り投げられたレンガに投票したんだ。

 

それは絶望の投票だったんだよ。

 

ろくでなしは英雄。

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 「でもトランプは、客観的にくそ野郎じゃん!」と君たちは言う。彼は人を侮辱して、女性を物とみなし、可能なかぎり誤魔化す!そして、彼はごく普通の人ではない。彼は偉そうで、傲慢な億万長者だ!」

 

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待ってよ、君はドナルド・トランプについて話してるの?それともこの男について話してる?

 

こういう人間を応援したことない?力を持っていて、君の敵が受けるにふさわしい侮辱を与えてくれる人を。大きな楽しみに貪欲で、十分失敗もするから親しみやすい人。テレビドラマのドクター・ハウスとか、ウォルター・ホワイトとか(テレビドラマのブレイキングバッドの主人公)。それとも、物事を成し遂げるためにルールを破る映画に幾百万も出てくる反抗的な警察とか?ルールを気にしないからという理由だけで物事を成し遂げれるのは誰か?

 

「でも、これらは架空の人物だよ!」って言うよね。じゃぁ、トーク番組のホストを務める億万長者で左翼よりの人たちは?君は彼らが上品に侮辱すると思ってる?そういうトーク番組のホストを務める人たちもクリス・クリスティのようなデブの悪口を言ったりするよね。例えば人気番組のホストのデイヴィッド・レターマンのセックス・スキャンダルについてグーグルで検索してみて。(彼だってトランプ陣とは逆の左翼よりの人だけど、悪いことしてるよ。)でもいいんだ。彼らは僕たちの側にいるから。自分の敵を強打するためのスパイク付きのバットみたいなくそ野郎はみんな自分のチームに居てほしいんだよ。それがみんなトランプなんだ。エリート怒りの遠吠えは、敵の要塞に落ちる爆弾の音のようだ。音が大きければ大きいほど良いんだ。

 

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すでに君たちの何人かは怒って、心の奥底でこれらの人々を正当化または理解しようという試みに対して強い嫌悪感を感じている。結局のところ、彼ら田舎者はほとんど人間じゃないんだよね?彼らはただの大量の無知で、怒り狂った、下品な、罵って、つばを吐く人間以下のやつらなんだよね?

 

うわぁ、そうじゃないと願ってるよ。僕はサンクスギビングで、多くのそういう人たちとハグしなきゃいけないんだもん。それで僕が彼らにハグするときは、もし僕が引っ越していなかったとすれば、フェンスの向こう側の、もうひとつのバージョンの世界の僕が書いたこの記事に不快なコメントを書き込むような人間になっていたということを自覚しながらするんだ。

 

人を退け、バカにし、嘆かわしいと決めつけるのは気分がいい。でも、どうせなら時間をかけて彼ら田舎者の考えを理解すればいいかも。だって本当なんだよ。トランプが居なくなったって彼らはまだ居るんだから。